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2021年 国内B2Bマーケの展望(というか期待)

さて、B2Bマーケターにとって、そして、もちろんB2Bセールスにとっても、激動とも言える2020年が終わろうとしているわけです。2021年日本のB2Bマーケがどのように変化していくのか、課題感、さらには期待も込めて、簡単にまとめてみました。視座がもはや、B2Bマーケ界隈どうなっていくかになっていますが、ご容赦ください。
 

■カスタマー・ジャーニーを軸にしたセールス・マーケティングの見直しが進む?

 
セールス、裏返せば、顧客の購買検討のデジタル化が劇的に進んで1年でした。私がこれまで経験してきたB2BのIT業界においては、国内の市場の7割が首都圏、残りが関西と中部といった様に、日本は、これまで人口密度の高さ=購買顧客の集中度に支えられ、訪問営業こそが正攻法とされてきたわけです。けれども、対面での商談が購買決定段階、または導入段階へと一気に絞られたことで、購買検討の初期段階での情報収集がオンラインへとシフトしました。
 
また、一部の業界、例えば、リモートワークの下支えとなるIT分野を除くと、顧客の購買、投資は、GDPが示す通り、抑制・ホールドされている状況となりました。これにより、これまでの成長市場を前提とした分業型のセールス&マーケティングの型、すわなちThe Model 通りには行かない局面も出てきました。例えば、COVID19の発生直後においては、顧客への売り込みではなく、顧客の事業活動、業務遂行を助けることに営業、マーケの取り組みをシフトしたりしました。また、リモートワークが定着したその後の期間においても、Webinarには多くの参加者があるものの情報収集段階の層が厚い、案件の育成期間の長期化といった、従来と異なるファンネル間のボリュームやベロシティー(リードサイクル)の変化が発生したわけで、マーケ、インサイド、セールスの役割、リソース配分の再考を促すケースもあったのではないでしょうか。
 
顧客の購買プロセスにおけるデジタル依存度の高まりは、端的にいえば、デジタルコンテンツ、デジタルコミュニケーションへのシフト、そして、これはB2Bマーケへの依存の高まりとなるわけです。けれども、B2Bマーケターなんて直ぐには人材獲得・育成が難しいわけです。この為、例えば、コンテンツの作成をマーケ主体から営業に移行する、営業がメールマーケティングにも取り組むといった、マーケとセールスの機能をブロックレベルで見直していく、けれども、全体としてはオーケストレーションされていくといったVCモデルへのシフトが求められているように感じます。
 
これらの営業とマーケのクロフファンクショナルなオーケストレーションを包括的に統括するフレームとして、カスタマージャーニーが再注目されることになると予想します。
 

■B2Bマーケターの育成、モチベーションを界隈としてどう盛り上げるか?

 
B2Bマーケターの裾野は広がっているはずなんですが、いわゆるB2Bマーケに関するメディア記事のインタビュー対象として、ユーザ企業よりもB2Bマーケのサービス・プロバイダーが登場する回数が圧倒的に多い現状には懸念感が強いです。結局、サービス・プロバイダーの事例となると、その時点で二次情報なわけで、情報の解像度が圧倒的に落ちるからです。読者が聞きたい、ツッコミたいであろうレベルまでの事が語られてないケースが多いような印象です。
 
その中でも、一つ変化として感じたのは日本経済新聞社が主催したB2Bマーケターの表彰制度”NIKKEI BtoBデジタルマーケティングアワード(https://ps.nikkei.co.jp/b2baward/)です。これまでも、MAベンダー(特にはMarketo)がユーザ企業のチャンピオンを表彰する制度が国内にはあったわけですが、残念ながら、それはMAの利用という細分化された視点になっていたわけですが、この点を日本経済新聞社という中立的なメディアが踏み込んでことは、個人的には多いに評価したいです。但し、その表彰内容、対象企業の取り組みについて、もっと情報が開示されるともっと盛り上がるようにも思いました。
 
ということで、2021年には、いわゆる、B2Bマーケのサービスプロバイダーによるナレッジ共有の内容が更新されないのであれば、むしろ、B2Bマーケターが自社の取り組みをどんどん披露していく機会が増えることを期待します。メディアとなると敷居が高いので、ベンダー中立的なB2Bマーケのコミュニティーが組成され、そこでレベルの高い対話が生まれていくことを期待します。UGC=User Generated Communityの誕生への期待です。
 

■巷に溢れる、B2BマーケティングTIPSの信憑性にどう対応するか?

 
良くも悪くもB2Bマーケが盛り上がる中で、いわゆる、SNSを中心に記事のパクリ、またはそれと疑われる類の事が散見されたことは非常に残念なことです。これは、恐らく、2つのパターンがあると思っています。1つ目が、先述の通り、B2Bマーケターが社内外から正しく評価されないが故に、SNSでの自己承認=バズることへの依存、またはそれを利用したSNSマーケが目的であることです。もう一つは、数年のブームの中で、その界隈のエバンジェリストともてはやされた方が、知ったことをあたかも自分ごとと同化して(自分が発明したと勘違いして)、情報発信してしまうケースです。
 
ですが、グローバルの視点で見れば、今、日本で最新として取り上げられているB2Bセールス、マーケ界隈のモデルというのは、実は欧米ですと、5、10年前に起きていたことだったりします。ですので、本質的な情報は海外のブログ、書籍、Youtubeなんかで、英語ができれば入手できますし、外資系IT企業で働けば得られたりします。もちろん、欧米のモデルが日本のすべての業種、ビジネスモデルに最適なわけではありません。けれども、欧米の情報をLocalizeしているだけの発信者を必要以上に神格化するのは、逆にいえば、自身の情報収集を制限することになります。
 
マーケターの基本的なスキルとして、データ、情報へのリテラシーは最重要でして、また、競合との差別化を行っていきたいという前提であるならば、欧米の一次情報、最新情報を取りに行く、または、普遍的なマーケティングのフレームをきちんと学習・理解した上で情報を解釈することの重要性が増しているように感じます。
 
ですので、2021年は、先述のB2Bマーケターのモチベーションプラットフォームとしてのコミュニティーにおいて、このような学習、情報交換も担保されていくことを期待します。