個人的な経験上、B2Bマーケティングのデマンド・ジェネレーション施策の中で、MROIの観点で最重要なのがセミナー(いまですと、ウェビナー)です。特に、複雑な製品・サービスを展開する企業の場合、競合企業に情報を見られることを避ける為、ウェブサイト上には限定的な情報を公開、セミナー、営業といったオーディエンスが明確な段階で掘り下げた提案をしていくという前提があるからです。そんなセミナーの成功要因の挙げるとすると、セミナーの目的とコンテンツ、そして、集客と参加率の向上、最後に営業のフォローアップ設計ぐらいでしょうか?ということで、今回は集客と参加率の向上の部分について、考えるべき基本をお伝えます。
■集客チャネルを最大化する
一点目は、集客チェネルの最大化です。集客で最も効率が良いのは、確かにマーケティング・メールの一斉配信です。ですが、オプションの幅出しをしてみると意外に打てる手があります。皆様の事業のステージにも依存しますが、自社のマーケティング・メールの登録対象者が、過去の展示会、セミナー、資料ダウンロードの方で占められている場合、もっと新たな見込み客にリーチしたいと考えるべきでしょう。なんとなくですが、集客数の多そうな順で書き出してみますね。
●自社マーケティング・メール:
自社のマーケティングに限らず、他の部門(例:サポート部門の既存顧客むけ定期メールマガジン)がメール配信を行ってい場合は、フッターにセミナー情報を差し込んでもらうこともできますね。
●外部メディア(有償メール):
有償ですので、新たなリストの獲得は期待できます。但し、最近はメディア主催のセミナーでマネタイズする傾向が強くなっており、自社セミナーの集客単価には課題がある場合もあります。いずれしても、集客単価を軸に施策の要否を判断となります。
●パートナー企業によるメール配信:
無償でできる集客の施策ですが、パートナー企業からはパートナー集客リードを自らフォロー希望が前提となりますので、リードフォローの設計に関する双方の前提を予め設定しておきましょう。また、双方の調整にも時間を要するので、早めに着手する必要があります。
●自社ウェブ:
自社のトップページ、さらに流入の多い、関連性の高いページにバナーを設定します。普段から流入の多いTop10ページをウェブ解析ツール等で把握していたりすると、すぐに手配できますね。
●自社のSNS:
そもそも、自社の商材の見込み客がSNSに存在するか、にも依ります。
●営業による案内(メール、訪問、メールフッター):
マーケティングとしてメールのパーミッションが取れていない見込み客へのリーチを持っているのが営業、または営業に同行するエンジニア(IT業界の例ですが)だったりしますので、営業の案内メールをテンプレートとして提供、訪問用にチラシを提供することで対応できますね。また、営業の視点からすると、マーケティングメールでリーチできる自分テリトリーの担当者がわかれば、二重の案内をする必要もないので、SFA等でメール配信対象が営業に見える化されていると良いでしょう。
●外部メディアの無償案内サイト:
例えば、こちらの例:ビジネス+IT(https://www.sbbit.jp/eventinfo/)といった無償でB2B関連のセミナー告知掲載が可能なサイトがあります。
●セミナー・受付メール:
昨今はウェビナーが主流になっていて、従来ですとセミナー参加にはお客様の部門から代表して1名参加といったスタイルでしたが、部門から数名で参加の傾向が強まっているように感じます。ですので、登録者へのお申込み受付メールにて、同僚、部下の方の参加を促すという工夫が集客に効きやすくなっています。
■集客進捗の共有を定期的に行う
集客状況の共有を定期的に行う目的は2つあります。
一点目は、マーケティング担当者自身の進捗管理ですね。上記のような集客施策が豊富にあったとして、これらの実施タイミングをきちんと管理する必要があります。対営業部門に対して、集客の進捗を共有するとともに、そもそもマーケティング部門としての集客施策の実行をコミットさせる意味で、進捗共有に施策の実行状況を記載させます。これにより、パートナー企業集客に協力いただくパートナー営業、営業集客に協力いただく営業部門に対して、マーケティングとしてのコミット感とパートナー営業、営業部門へのプレッシャーをかけられるようになります。
二点目は、特に営業集客の場合、お誘いした方の申し込み状況の把握、さらに申し込みがない場合のアクションを取ってもらう必要がある為、情報をタイムリーに開示する必要があります。自社にとって極めて重要なイベントであれば、開催1ヶ月前から日次でも良いでしょうし、そこまで重要でなくても1週間に2回程度は情報共有するのが望ましいでしょう。これだけやれば、営業も忘れませんので。
この集客進捗のメールもテンプレート化しておくと、マーケテイング担当者ごとにフォーマットが異なることもなく、マーケ組織の一体感も演出できるので、テンプレート化しておきましょう。
■認知経路による登録傾向でPDCAを回す
集客施策を幅出しする一方で、効率性も重視しなければなりません。例えば、ウェブサイトのバナー表示をマーケ担当者が1日がかりでやったけど、その経路からの申込み結果を確認できない限り、効率性は把握できません。ですので、MA等で流入を確認する方法もありますが、オーソドックスな手法としては申込時の認知経路確認を設定することです。
認知経路別のPDCAの観点として、当然、集客数と参加結果(歩留まり)もありますが、リード管理がきちんと定着していれば、最終的に認知経路別のCV(案件化率、案件化金額)までの効果を確認することができます。工数、費用対効果の感覚が得られますので、自社として施策の取捨選択までのPDCAが完結できます。
併せて、マーケティング部門以外による集客施策の場合、そもそも想定通りに実施できたかを確認するフィードバックを受けましょう。この関して、こちらのブログもご参照下さい。
B2B Marketing Hack Blog :
大規模マーケティング・イベント直後にやっておくべき社内アンケートとは?
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