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BtoBマーケ組織の戦闘能力 どうのように把握する?

BtoBマーケティング・ヘッドとして転職した時、最初にやったことは何か?それは、マーケティング組織のバリューチェーンとメンバーのオーナーシップのマッピング、さらに、メンバーのSkill・Willの整理することでした。いわば、BtoBマーケ組織の戦闘能力の把握です。では、なぜ、これに取り組んだのか?どのように取り組んだのか、ざっくりですが、まとめてみました。
 

■BtoBマーケ 会社変われば、組織変わる

BtoBマーケの組織メンバーの構成例は次の通りです。最近、日本でも流行っているTheModel(営業やマーケの分業体制)の通り、モデル、すなわち、バリューチェーンは各社様々です。組織に歴史ありではないですが、過去の経緯から、良くも悪くもその企業なりのカスタマイズが入っている場合があります。例えば、外資系企業ではグローバルのモデルの原型はあるが日本ではカスタマイズされていたり、または、過去のマーケ・ヘッドの戦略・方針によりカスタマイズされていたりします。
 
この暗黙の前提、組織のビヘイビア=各メンバーの守備範囲と行動原理が正しく理解しないと、入社早々での戦略実行で、想定した通りに物事が動かず、失敗することになります。これは、書籍”ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー ”でも挙げられている、就任直後の失敗あるあるです。このような失敗を避ける為にも、まずは組織ビヘイビア、バリューチェーンのどこを誰が担っているか、そして、各バリューチェーン(以下、VC)の強み、弱みを通じた成長機会の見極めを早くしておく必要があります。
 
特にBtoBマーケティングでは、各機能、スタックが細分化されている一方で、組織としての成果は各VCの掛け算的な要素が強いです。例えば、市場機会の狙いの正しさ x キャンペーン企画の正しさ x  キャンペーンの実行。ですので、いずれかのスタックがあまりにも貧弱な場合、組織としての成果ができません。この為、VCを横断的な見ていきたいわけです。 
 

●BtoBマーケティング・デマンドジェネレーション機能組織のメンバー構成例

・PR:自社、自社製品・サービスのブランド構築を担う。
・Product Marketing : 製品・サービスについて、4PのProduct、Priceを中心に、販売戦略を決定する。
・Field Marketing : 特にBtoBでのデマンド・ジェネレーション、営業の引き合い案件を創出するキャンペーンを担う。
・Partner Marketing : 自社の製品・サービスを販売代理店の支援プログラムを組成・運営したり、協調マーケを実施する。
・Web / Online Marketing : ウェブサイトの構築、保守を行ったり、流入の為の施策を担う。
・Telemarketing : キャンペーンで反応のあった見込み客のリード精査を行う。
・Marketing Operation : マーケ全般のオペレーション(予算管理、リードやデータベース管理プロセス等)を担う。
 

■BtoBマーケティング機能のバリューチェーンとメンバーのマッピング

マーケティング機能のVCとして、私の場合、以下のようなプロセスで考えています。チームメンバーを各バリューチェーンにプロットしてみて、そして、Capability(実行能力)について、観察だったり、日頃のコミュニケーションから確認していく感じです。ここで、本来なら、この機能はField Marketingが担うはずなのにProductMarketingが担っているなど、自分の理想との乖離を確認したり、そうなった経緯についても理解を深めていきます。
 

●どの市場機会を狙っていくか、の市場分析・市場機会の定義

・自社の製品・サービスを取り巻く市場、テクノロジーの理解(PEST分析)
・自社にとっての市場機会の定義(SWOT分析)
・自社製品・サービスの勝てるポジショニングの整理(STP分析)

 

●マーケティング・キャンペーン企画・実行

・市場機会と営業のGo To Market Planを関連付け、マーケ課題を定義
・課題に即したキャンペーンの選択肢の幅出しと取捨選択と企画立案
・キャンペーンの実行のオペレーション

 

●キャンペーンのレビュー

・キャンペーン結果のレビュー
・次回改善に向けたステークスホルダーとのレビュー共有
 
上記のVCとメンバーのマッピングによる現状確認と併せて、各メンバーのキャラクターも確認していきます。VC分析で、メンバーのスキル確認はできているので、ここでは汎用的なスキル、変化や成長ポテンシャルへの前提となる意識(ウイル)を確認します。端的にはビジネス環境の変化に応じて、自主的に変化できる人か、もしくはサポートが必要かを見極める感じです。
 

●汎用的な思考や意識の確認点

・プロアクティブであるか?課題を自ら見つけ、対処していけるそうか?
・論理的思考ができるか?自分の職務、チームの問題の根本原因を把握できる思考ができるか?
・責任感があるか?変化、実行に関して、主体的な取り組めるか?
 

■まずは現状の戦闘能力を理解して、最初のプロジェクトの成功へ

このようなVC分析、メンバーのキャラクターを理解することで、自社のBtoBマーケ組織の戦闘能力、何ができるか、できないかを早い段階で把握できます。これにより、入社直後の早い段階で、VCが弱い箇所へのプロアクティブなサポート、またはメンバーの育成補完を通じて、大きな失敗を避けることができるでしょう。
 
是非、何らかの形で自社のBtoBマーケ組織の戦闘能力を確認する機会、そして、そこからの育成プランへの立案へとつなげる機会を持ってみては如何でしょうか?
 
 
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