Skip to content

書評 チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」

B2Bマーケターとして、業務連携する営業部門のスタイルについて、そのメソッド、トレンドを把握し、キャッチアップすることはとても大事なことだと感じています。そのような背景から今回は、某Youtuberの推薦もありました 『チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」』を拝読したので、かなりザックリですが、所感を書きました。

■新しいハイパフォーマーな営業モデル「チャンレンジーセールス」

 
本書の説明に入る前に、そもそも営業もマーケティングも、その本質は顧客の購買決定を支援することです。マーケティングって、極論すれば、営業が客先でやっていることの一部でもコンテンツ化して再現性、拡散性を最大化することです。その逆も然りで、マーケティングのコンテンツを営業が Face to Face で話すこともあります。ですので、マーケティングのスタイルやコンテンツと、営業のそれらは、ある程度の整合性が取られていないといかない訳です。このような背景から、個人的には最新の営業スタイルをキャッチアップし、それをマーケティングにも応用できないか、考える機会を重要だと考えています。
 
さて、本書のそのままの引用はしませんが、ざっくりとは本書の主張と内容は、次のようなポイントだと言えます。
 
●営業には、関係構築型、問題解決型、勤勉型、一匹狼型、チャレンジャー型といった型があり、ハイパフォーマーなのは、調査結果からチャレンジャー型である。
 
●チャレンジャーセールスでは、顧客よりもビジネスを理解した上で新たなインサイト(顧客の課題)を提示する”差別化のための指導”、顧客のブレやすい導入決定を巧みにリードする”営業プロセスの支配”、複数のDMUやステークスホルダーに対するOneOnOne的な説得を行う”共感を得るための適応”の3つで成り立っている。
 
●これまで、顧客の課題をヒアリングし、提案を行うソリューション営業がもっともハイパフォーマーだと思われてきたが、実際には顧客と営業ともにヒアリングのために多くの時間、労力を割くことなる。にも関わらず、ヒアリングをして把握できる顧客の課題って既に顧客が気づいていることだし、ソリューションの差別化が難しくなっているご時世では、やはり商談の差別化に限界がある。だから、顧客の気づいていない課題、その内で自社の差別化が可能な分野にフォーカスして、その商談機会をProActiveに対応する方が、複雑、大型の案件を獲得するには向いている。つまりは仮説営業。
 
・チャンジャーセールスを育成するため、実践するためのTIPSが後半には記載
 
どうでしょうか?皆さんは賛成、反対、どのあたりに同意しますか?
 

■マーケティング部門として、この流れにどのように呼応するか?

 
本書を読んで、率直に浮かんだ印象、それは仮説営業は大歓迎でした。そもそも、マーケティングって仮説マーケティングなんですよね。顧客課題を想定・喚起し、それに対する解決策も提示する。間違っても、ウェブ上であなたの課題はなにかお聞かせください、オンラインで診断みたいなコンテンツのみではマーケティングできないですから。
 
マーケティングが仮説的にどんどんコンテンツを作るわけだが、その源泉って、顧客の声、Customer of Voice だったりすることが多いですよね。チャレンジャーセールスが増えれば、それだけ、営業とマーケティング部門双方でのナレッジ、コンテンツが充実化することになるわけで、マーケティング部門にとってはメリットしかないのではないでしょうか。
 
一方で、このような営業スタイルの育成・変革には、本書も指摘するように時間、リソースは必要でしょう。最近では、Inside Sales Conference でもSales Enablementのセッションが提供されるなど、組織的な営業育成のフレームが必要だと感じる。で、マーケティングとしてどのようにこれに関わるのか、支援するのか、自分なりに整理したいとも感じました。
 
最近は、社内でのマーケティングの幅広いコンテンツの緩めの共有について、ビジネスチャットツールにチャネルを作成し、共有を始めた。競合がこんなことメディアで言っている、自社でこんな切り口ができたなど。残念ながら、営業の反応は(想定通り)いまいちなのだが、まずはマーケティングとして少しでも営業ナレッジのインプットを推進したいと再認識できました。
 
もう一つ感じた点は、顧客のこのような声、Customer Voice をもっと、広く、早く伝えるマーケティングの仕組みの強化の必要性。最近、マーケティングのファンクションのひとつとして、Customer Marketing が出てきた。個人的に定義を十分に理解していないが、いわば、既存の顧客リテンションを狙いつつ、顧客事例のマーケティングコンテンツも整備する感じ。どうしても、顧客の具体的な事例を広く公開するのには時間を要するため、ユーザ会、ミートアップで緩めの情報共有機会を創出することもマーケティングの役割になってきているので、これも強化していきたいです。
 
最後に、Noteのご案内です。B2BマーケティングのDemand Generation分野のデータ分析の実践的なアプローチをまとめたNote”サンプルチャートとデータ分析の進め方の解説付き、B2Bマーケティング・Demand Gen分野のデータ分析ガイダンス”を公開中です。こちらのリンクから、この機会に購読ください。
 
また、Blog、Noteにて公開しない気づき、セッションのご案内などをメールマガジンで配信しています。メールマガジンのご登録はこちらから可能です。