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Self Educating buyer の育成にまで取り組む企業こそ、リーダー企業という話

以前、Twitterでも共有したことかもしれませんが、例えば、外資IT企業のウェブページにいくと、Learning Center、Learnといったタブが用意されていることがあります。
 
これらのページの先には、その企業の製品利用に関わる技術資料や動画が配置されていたりします。しかし、自社の製品にHow toに限らず、コンテンツの範囲を広げて、例えば、製品カテゴリー全般に関わる入門的な情報や資料、さらに、製品カテゴリーの利用者が必要とする業務面での汎用的な基礎知識、ソフト面の育成に役立つコンテンツまで拡張している場合があります。尚、このようなユーザの育成支援は、ベンダーの自社ウェブコンテンツに限られるわけではなく、コミュニティーでのアプローチだったり、UGCによるオーガニックな拡散・共有も考えられます。
 
ところで、これらのコンテンツはマーケティング・フレームワークにおけるToFU、MoFU、BoFUという購買検討の何れのファンネルに属するものなのでしょうか?
 
Learnig(学習)コンテンツの一部はToFUに掛かるのかもしれませんが、ToFU以前、将来的な見込み客の育成に掛かっていると捉えることもできるでしょう。ToFUより広げたマーケティングは、一見非効率に見えますが、ここまでしてユーザ層の拡大を狙う理由は自社製品が属する市場(TAMと呼んだりもする)の最大化または維持にあります。
 
市場の成長期には、製品・サービスの未使用者(これまでに利用経験がない企業)が新たに採用することになります。Needsの認知を促進するソートリーダーシップ的なアプローチも不可欠ですが、そもそも、製品・サービスの利用者、担い手が存在しない場合に、利用者が製品を利用できる知識、スキルの育成が必要になります。また、市場の成熟、衰退期に掛かってくると、良くも悪くも、製品の利用者の後任育成が進まないことによる製品利用の離脱、またはサポートコストの上昇という懸念が発生しますが、これらのリスクを最小化することにも貢献できます。
 
ややもすると、カスタマージャーニー、顧客の購買プロセスという範疇でマーケティングを見てしまうわけですが、ユーザ育成というジャーニーもあるということを理解しておくのも良いでしょう。そして、恐らく、日本企業でウェブ上で、学習リソース的なタブを用意しているところはほぼないので、今なら、差別化しやすいのではないでしょうか。そして、このような育成に取り組める企業こそ、そのカテゴリーでのリーダー企業であるともいえるでしょう。自社がリーダー企業を目指すのであれば、こういった育成をコンテンツマーケティング、コミュニティーマーケティング、販売店との協調マーケティングを通じて、取り組むことも考えなければなりません。