市場、テクノロジー環境の変化を想定して、日々、組織的な学習を継続していく必要があるわけですが、世の中を見渡すと、Sales Enablementというワードも頻繁に見るようになった一方で、少数メンバーを前提としたマーケティング部門に対する組織的な育成はまだまだ進んでいない印象です。キャッシュリッチ企業では、グローバルなコンサルファームのオンライントレーニングなどを受講できる環境にあるのかもしれませんが、それとて、トレーニングの内容はかなりの概論に終わりがちです。
そこで、今回は、過去の経験から、コストをかけずに、実践知につながりやすいい社内での学習機会（および意欲）を推進する２つの方法をご紹介したいと思います。尚、これらは新しい知見、ナレッジの獲得向きな施策でして、だからといって、既存業務からも多くの学びがあるわけですから、既存業務からの気づき、洞察をチーム内で共有する為のレビューといった取り組みも同時に行っていく必要があることは、補足しておきます。
■有益なブログの共有
とあるベンダーの在籍時、B2Bマーケ組織内のDemand Centerでグローバルヘッドを担当していた方から、毎週いくつか、マーケターとして気になるブログをシェアしてくれていました。メールでブログのリンクが送付されてくる形式です。全てのブログがお堅い内容ということではないのですが、毎回業務に関連性の高い分野のブログも含まれていました。Demand Center の創設時期でもあり、いまほど、Marketing Automation、Demandwater fall の概念、手法が組織内に浸透していなかった段階ですので、これらの分野の啓発でもあったかもしれません。
欧米企業の本社、またはグローバル機能に属する方々は、時にその分野のコンサルティングファームからの情報のみに依存しがちなのですが、これらのファーム以外のブログからも、自らが気になること、もしくは気になる視点を発見できるあろうという点から、日々ブログを見ている姿勢に関心するわけですし、これらの発見を共有することで、ある種の学習モデル、ロールモデルを組織内で提示するという形も取れていたわけです。
これと同じように毎週いくつものおススメブログを共有することは、時間、リソースというインプット、さらには、組織のメンバーのナレッジの段階という環境という２つの側面から実施の要否は判断すべきところでしょう。けれども、ある課題にメンバーが直面した際に、これに対応するフレームを上司が懇切丁寧に解説してあげるのか、その解決策のヒントとなるブログ（および、ブログを発信するベンダーのナレッジ）を共有し、メンバーに当たらせるかは、メンバーの問題解決能力の育成を左右するアプローチだと思いますので、私も時折ブログをシェアすることはあります。
ブログのシェアも、上記の同僚はメールで行っていましたが、今ではチャットツール内のチャネルでの共有を利用すれば、新しく入社、部門に加わったメンバーも参考にできるので、良いのではないでしょうか。
■社内勉強会
B2Bマーケターとして、というより、新人時代にIT分野の営業職だった頃に、上司からのアサインメントとして企画、実行を任されることがあったのが、社内勉強会です。外資でありがちな、新しい製品に関する技術、機能面でのトレーニングはプロダクトマーケテイングががっちり提供してくれるわけですが、これだけでは理解が足りなかったり、実際に提案した後に直面する課題なんかがあったわけです。また、新製品でない段階においても、数字を創出するため、こんな切り口で顧客をローラーしましょうといったイニシアティブを営業で考えたり、勉強したりすることもありました。
これは自社の製品拡販を目的とした勉強会だったわけですが、自社の戦略、戦術上で必要となる顧客環境の理解、マーケティングであればテクノロジー環境の変化に関して、メンバーに情報収集・勉強してもらい、メンバーに共有するという方法が考えられます。勉強会という名目にするとあまりに形式ばってしまうので、例えば、外部のセミナーや研修に参加したメンバーからの共有というレベルに留めておくのも良いでしょう。
また、これらのアサインメントや共有を通じて、メンバーに対する具体的な期待とアウトプット、称賛までセットで回せるのが、こちらの手法の良い点だと思います。
最後に、B2B Marketing Hackブログで過去に公開していた、B2Bマーケの組織開発に関連する５つのブログをこちらのNoteにまとめています。組織開発を深堀したい方は参考にしていください。
B2B Marketing Hack B2Bマーケ組織開発ブログまとめ
https://note.com/b2bmktghack/n/ndde89dd43410