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書籍 “The Thought Leadership Manual”でソートリーダーシップの役割を個人的に整理してみた

B2Bマーケティングの分野で、時折出てくるThought Leaedershipというキーワード。Thought Leadershipとは何か?これを推進する為にどのように取り組むべきか?について、個人的な理解を整理する為に、こちらの書籍を手に取りましたので、ざっくり紹介しておきます。

■インサイト駆動型営業を知り、では潜在層へのマーケ施策とは?を整理したかった

 
そもそも、TLに関する興味の背景の1つとして、書籍チャレンジャーセールスの書評(ブログはこちら)でもコメントした通り、潜在的な需要を取り組む為にB2Bマーケターとしての取り組みとしてのどのような手法が最適化という疑問がありました。
 
潜在的な需要とは、顧客自身が認識していないが、現在、または未来に起こると予想される課題や機会でして、チャレンジャーセールスの書籍が提唱するインサイト駆動型営業では、営業がこれを引き出すことしています。一方で、ソリューション営業は、顧客が認識した課題に対する解決策をリードするものであり、これと、インサイト駆動型は異なるとしています。このようなセールスモデルの対比を参考にした場合、インサイト駆動型セールスに類するマーケティング手法とは何か?と考えてしまったわけです。
 
Forrester(旧SeriusDecision)が定義するリードマネジメントの全体像として、Demand Waterfallがあり、実はForresterはこのモデルを更新しています(ノヤン先生のマーケティング講座 ファネルの物語【前編】)。2012年から2017年への更新は、主に二点あって、一点目は、リードという単位でのファンネル管理からDemandUnit(一般的な別な言い方としてはBuyingCenter DMU)という購買グループでの案件管理です。二点目は、Target Demand、ActiveDemand、EngagedDemandということで、2012年ではEngaged Demand、すなわち、自社の製品・サービスに関心を示した段階から市場機会を見ていたわですが、その後の2017年版では、TargetDemand(TAM・SAMの視点)を組込みことで、いわゆる潜在層に対する視点を強化しているのでしょう。
 
このように潜在層に対する視点を強化したことは興味深く、営業の分野においては書籍”チャレンジャーセールス”において、リレーション型営業やソリューション営業としてインサイト駆動型営業というアプローチが紹介されました。
 
チャレンジャーセールスは、顧客よりもビジネスを理解した上で新たなインサイト(顧客の課題)を提示する”差別化のための指導”、顧客のブレやすい導入決定を巧みにリードする”営業プロセスの支配”、複数のDMUやステークスホルダーに対するOneOnOne的な説得を行う”共感を得るための適応”の3つで成り立っています。ソリューション営業では、顧客が課題を認識し、それに対応する自社の製品・サービスの優位性を提案するわけですが、インサイト駆動型営業では、顧客が認識していない本質的な課題、または機会(Pain、Gain)をベンダーから提示することで、Target Demand をActive/Engaged Demandに移行しているという見方ができます。そして、B2B Marketing Hackブログの書評でコメントした通り、マーケティングにおけるインサイト駆動型アプローチとしてどのようなアプローチを取れば良いのか?が常に頭の片隅にあったわけです。
 
Thought Leadershipとは、例えば、調査レポート、ホワイトペーパーなどを通じて、顧客を取り巻くビジネス環境におきる変化、これによる顧客にとっての課題、機会、場合により、さらにはこれらに対応する為の提言を含めることで、顧客から自社へのアトラクション、ブランド(認知、期待)の形成、または相談といった顧客の行動を促してくといった理解でした。潜在層までに製品の認知を広げる”為の広告といったアプローチがマーケ界隈で語られるわけですが、一般的に、顧客の購買検討は、Problem Identification→Solution Exploration→Requirement Building→Vendor Selection(Problem Identificationとは?)のプロセスを経ていく為、Problem Identificationが醸成されていない見込み客に製品の認知を広げても効果的ではありません。 

■The Thought Leadership Manualという書籍について

 
Thought Leadership(以下、TL)に関する理解、そして、その手法について、参照できなそうな本書”The Thought Leadership Manual “を手にとったわけです。
 
書籍 The Thought Leadership Manual リンクはこちら
 
 
この本の概要としては、以下のような疑問に関する答え、知見が得られます。
・TLとは何か?
・なぜ、TLに取り組むべきか?
・TLなキャンペーンを企画、実行する為のプロセスとは?
 
TLの定義について、本ブログの関係上、少し補足すると、次のような特性を含む、今後、顧客を取り巻く業界の変化に関する示唆であるということです。B2Bにおける業界の変化ですので、今後、数年に渡るインパクトになります。
・重要な示唆を含む独自の視点であること
・証拠を伴うこと
・みんなが議論していること
・他社の意見に強い影響を与えること
 

■Thought Leadershipの役割を整理してみる

 
これらの定義、見解を元に、個人的にTLの役割を整理したのがこちらになります。TLの役割が整理できたことで、リーディング企業が取り組むユーザ育成、将来的なユーザになりえる見込み客に対するジョブに関する一般的な知識を提供するマーケティング手法との境界線が明確になったが気がしますね。また、この認識が正しいかわかりませんが、インサイト駆動型営業とTLは必ずしも一致しないし、一致する場合もあるのかなぐらいの認識です。例えば、TLで整理された課題、機会に関して、個々の顧客の環境を当てはめていくこともできる場合もありそうですし、一方で、インサイト駆動型営業の示唆が必ずしもTLとは異なる個別顧客の課題、機会という場合も考えられるわけです。いずれにしても、市場全体に対する課題認識、需要創出において、B2BマーケテイングではThougth Leadershipしか果たせない部分がありますね。
 
 
最後に、B2BマーケティングにおけるDemand Waterfall分野のデータ分析(MQLからSQL変換、SQLからSQLWon/Lost変換の2つの工程)について、チャート例、分析ステップ等を解説したNOTEを書きましたので、こちらもご参照ください。
 
サンプルチャートとデータ分析の進め方の解説付き、B2Bマーケティング・Demand Gen分野のデータ分析ガイダンス
 

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