日本では2月中旬から拡大しているCOVID-19の影響によって、マーケティングと営業活動が完全にバーチャルな世界へと移りました。訪問、面談による営業がオンラインに切り替わり、展示会が中止となりウェビナーでの情報発信へとシフトしてきています。このようなビジネス環境の変化の中、動画ポータルを試行的に始めて見ましたので、その背景、狙いを簡単にまとめてみました。
■とにかく、分散しがちな動画系コンテンツ
自社の動画系のコンテンツ、どこにどのようなものが存在するか、調べてみたことはありますか。自分の経験で言えば、こんな感じでしょうか。
・展示会のブースを背景に製品デモをしているものがLinkedinの個人の下にぶら下がり
・マーケティング部門が制作した製品紹介、デモビデオがYoutubeチャネルに集約
・プリセールス部門が営業が使えるように収録したビデオがあるば、外部公開はされていない
・WebinarのOnDemand配信がWebページに点在
・パートナー向けのトレーニング用の電話会議録画されているけど、これも公開されていない
以外に点在しているわけです。そして、特に営業が利用できるように作成したビデオコンテンツですが、社内のどこかしこに眠っている場合もあります。なぜでしょうか?
一点目は、動画の品質。マーケティングの視点で言えば、ブランディングの観点で、やはり、ビデオのクオリティーは気になりますよね。例えば、動画の始まり・終わりは会社指定のIntro、Outroが入ったり、音質・画像の品質、流れ・ストーリーも気になるわけです。これを満たさないと公開しにくいな、ということになります。
二店目は、動画の公開ルール。各々の作成したもの、どのレベルであれば、どのチャネルに掲載すべきか。これが策定、周知していないので、作成してもそのままお蔵入りになります。公開もさることながら、公開から停止までのコンテンツのライフサイクルのルール、運用が定まっていないとコンテンツが生産されても、流通しないわけです。
■動画をまとめるチャネルは何にするか?
動画をまとめるチャネルとして、何が最適でしょうか?真っ先に思い浮かぶのはYoutubeですね。ですが、Youtubeのメリット、デメリットを考えてみましょう。
一点目、YoutubeはBtoB向きか?BtoBの場合、自社の顧客層が典型的・伝統的な日本企業の場合、まだまだYouTubeでビジネス動画を見ることに抵抗感があります。従業員のセキュリティに細かい会社であれば、YouTubeのサイト閲覧が制限されていることも聞いたりします。
二店目、動画だけですべてを説明しきれるか?コンテンツの設計、すなわち、このコンテンツで何まで理解させるかということにも関連しますが、動画だけでカスタマージャーニーが完結するか、という点です。YouTubeでの広告動画では、CTAとしてWebでの検索や訪問を想定しているわけですが、多くの場合、Web上のコンテンツでの補完、連携が必要になります。
この二点を考えると、確かにコンシューマの分野ではGet Found される為に魅力的なYoutubeでしょうが、BtoBでは、自社ウェブに動画を配置して、さらに関連するコンテンツをワンストップで提供することの方がメリットが大きいのではないか、と考えたりしたわけです。
■動画ポータルを整備してみましょう
そして、Webに配置する場合に、次に考えるべきはどのように配置するか、ですね。
ちなみに自社はBtoBで製品・ソリューションがかなり多岐化・細分化している業種です。動画が顧客の購買ファンネル上で課題とソリューションのマッチングを行う階層を狙っている場合、ウェブ上でそれぞれの製品ページの下にぶら下がると、顧客の動画消費がかなり単線的になりがちです。課題と対策のマッチができていない中、各製品ページに行っては階層の奥まで行って動画を見てもらうのは離脱を生みやすいですね。
COVID19の影響もあり、Webinarは増えている一方で、賢い顧客は、手早く、効率的にWebinar、動画を消費したいと考えています。よって、Webinar、動画がまとまったサイトがあるととても有益なのかな、と考えたわけです。
この点を考慮すると、動画ポータルを自社Web上で立ち上げているのが良いのでは、という結論になりました。もう一点、自社Webのメリットを上がるなら、動画はGatedにせず(Webフォーム入力なしで見られる)、関連コンテンツはGateにすることでリード獲得までの流れが組めたりもしますね。
■まとめ 分散する動画コンテンツのまとめ方を考えよう
動画コンテンツをまとめるもうひとつのメリットとして、営業ツールとの利用も考えられます。Web掲載さえしていれば、リンクひとつで営業は顧客に案内、またはオンライン会議での紹介ができることになりますので、営業の生産性、顧客満足度の向上にも繋がります。あるタイミングで長時間のWebinar疲れから、手早く、動画で収集したいニーズが高まると思いますので、この機会に動画コンテンツの戦略を再考、再構築しておきましょう。
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