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捨てリード発生していない?B2Bマーケでのチャネル・コンフリクト問題

B2BマーケティングのROIを制約するリスク・環境要因としてチャネル・コンフリクトという問題があります。ベンダーとしてのマーケティング活動で一生懸命リードを獲得する一方で、販売代理店からそのリードは代理店の顧客だから、とリード・フォローの停止を求められるケースです。今回はこのような問題の対策を考えてみたいと思います。
 

■チャネル・コンフリクト:販売店の顧客・見込み客に接触するな問題

 
ダイレクト・マーケティングでも、自社の営業活動とマーケティングとのコンフリクトが発生する場合があります。例えば、営業が見込み客の訪問を行う→これが契機となり、見込み客が製品資料をダウンロード→ホットリードとなりインサイドセールスが営業コールを行う、といったケースです。自社からの重複コミュニケーションです。営業がマーケティングに苦情を言う場合もありますが、マーケティング、インサイドセールスの活動が社内的に確立すれば、社内のステークスホルダー間でのコンフリクトは徐々に緩和されます。
 
一方で、よりコンフリクトが深刻化するケースとして、販売代理店の顧客に接触するな問題があります。これは、たとえベンダーでマーケティング活動を行ってリードのパーミッションの取得を行っていても、販売代理店から同社の販売先顧客にタッチするなと苦情を受けるケースです。理由はシンプルで案件の主導権をベンダーに握られたくないからです。懸念している点は直販に切り替えられないか、ハイタッチの営業が他の販売代理店を推薦するのではないか、です。また、最近では最初に案件登録した販売代理店に特別なマージンを提供するプログラムを組んでいる場合がありますが、ベンダーが先に見つけるとこれが享受できないわけです。
 
時に、社内に販売代理店を担当する営業がいて、販売代理店側の立場に付こうものなら、調整は一層難航します。万が一にも、この要望を受け入れてしまった場合、マーケ活動で取得したリードをフォローせずに捨てること、すなわち、ROIがどんどん劣化することになりますので、これは絶対にさける必要があります。
 
ちなみに個人的な経験として、代理店営業が暗黙の了解として、インサイドセールスに裏で電話をかけるなとプレッシャーを掛けるケースを経験したことがあります。このような事象は、インサイドセールスのコール活動のKPIをきっちりトラックすれば見えてきます。他の国より日本の案件コンバージョン率が低い、案件化できそうな顧客で案件化できていない、インサイドセールスのコール接続率が異常値である、といった点からすぐにバレます。
 

■チャネル・コンフリクトの回避策

 
では、このようなチャネル・コンフリクトにどのように対象すべきでしょうか。個人的な考えですが、共有します。
 

●リード・フォロー方針に関する社内認識の統一

 
まず、社内での代理店営業とのコンフリクトは百害あって一利なし、です。マーケティング活動で取得したリードは、販売代理店の顧客であっても、フォロー活動を行う方針を会社内で徹底する必要があります。自国はインダイレクト重視だから、例外的に見るべきといった反論がパートナー営業から出る場合、グローバルの方針を盾にするなど、議論するマネージャのレイヤーをどんどん引き上げましょう。
 
また、販売代理店に対して、自社のリード・フォロー方針についても説明・共有しましょう。よくあるケースとして、販売代理店がベンダーのキャンペーンをプロモーションをする場合があります。その場合、リード登録フォームに認知経路を付与し、販売代理店経由のリードは戻すといった工夫を方針に盛り込むと、販売代理店としても納得性が高まります。もしくはキャンペーンコンテンツを代理店に共有し、同社のメディア、チャネルでプロモ展開頂くか、です。
 

●ベンダーとしてのソート・リーダーの確立

 
見込み客が相談したい相手は誰か? それはベンダーか、代理店か? 見込み客や顧客がベンダーからこそ話を聞きたい、販売代理店からの情報提供では足りないという状態にすればいいのです。この状態になれば、販売代理店がどのようなクレームをつけてこようが問題になりません。顧客の意向でベンダーとして接触しているわけですから。
 
この状態に持っていくには、ベンダーとしての情報発信、コンテンツを販売代理店よりも強化する必要があります。特にベンダーとして発信できて、販売代理店として発信できないコンテンツを強化しましょう。例えば、グローバルの事例紹介、グローバルでの調査結果の共有、製品のロードマップといったベンダーでしか入手・利用できないコンテンツです。
 

●フォロー・コール時の配慮

 
インサイドセールスがコール活動を行う際に、自社または販売代理店の営業が接触している可能性があることを念頭に置きながら、コールを行うことです。例えば、コール・シナリオとして、コールの経緯を説明するとともに、すかさず、ちなみに営業はお伺いしていますか?を聞くというシンプルな方法です。販売代理店の営業が訪問している場合は、情報提供や提案活動の不足・停滞がないかを確認するといった具合です。そして、そこで入手した情報を販売代理店の営業に共有することを徹底すれば、これらのステークスホルダーでの良い意味でのWinWinが確立されていき、最終的に販売代理店もベンダーのプロモーション活動に好意的になっていきます。
 

まとめ チャネル・コンフリクトは早期発見・早期改善 

 
繰り返しますが、チャネルコンフリクトが深刻化すると、自社リードの内で販売代理店の見込み顧客はフォローするべからず的な暗黙のルールができあがるリスクがあります。そして、この暗黙が社外の販売代理店にも暗示的に共有されると、最終的には獲得リードの一部が捨てリードに終わり、マーケティングROIは著しく悪化します。社内方針の徹底も重要ですが、日々のキャンペーンのフォロー活動のKPI(コネクト率、BANT情報の取得率)をきちんとトラックし、フォローされていないリードはないかを的確に確認しましょう。