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外資系IT・B2Bマーケターへの転職アドバイザリーで聞かれたこと、まとめ

こちらのブログの通り”外資系IT x B2Bマーケターへの転職検討、転職済みの方向けアドバイザリーのご案内”、アドバイザリーについて、2021年8月現在で、合計8名の方向けに実施してきました。転職アドバイザリーをやっている中で感じたこと、それは、そもそも外資系ITのB2Bマーケターってどんなことをやるのか?の前提、情報がない為、そのあたりの説明に時間を使ってしまったという反省です。そのため、アドバイザリーとしての付加価値が出ない事前情報について、いっそのことブログで開示してしまおうというで、外資系ITのB2Bマーケターに関するFAQについて、私の経験上で回答したことを羅列していきますね。

 

■どんな職種あるの?

外資系IT x B2B マーケティングの職種は、以下のスライドの通りです。あと、あるとすれば、Channel Marketing ですかね。Channel Marketingは、Field Marketing 同様にパイプライン創出を目的としますが、Direct Marketing ではなく、パートナーとの協調マーケティングを通じてというアプローチになります。併せて、パートナープログラム(自社のパートナー要件、ベンダーとしての支援範囲など)を整備したりする場合もありますが、これらの機能をパートナー営業で保有することもあります。

外資系ITの日本法人の規模(=日本の売上)により、日本のB2Bマーケのポジション数が決まります。大手企業になれば、Field Marketing、PR、Product Marketing が揃いますが、圧倒的に多いのはField Marketing のポジションになります。例えば、全世界での売上数百億円程度で、日本法人が数十人ぐらいですと、Field Marketing の担当とその管理職が1名といったケースがあります。日本法人が百人以上から数百人になってくると、PR、Product Marketing が加わってくるぐらいでしょうか。日本法人のマーケが増える場合、まずはField Marketing職が増えます。製品が複数ある企業であれば、製品分野ごとにFieldMarketingが配置されたり、一方で製品が1つの場合、複数のFieldMarketingがいる場合、SMBとEnterpriseといったセグメントで担当わけをする(キャンペーンの注力手法が異なる為)ことが多いように感じます。

このField Marketingですが、オールラウンダーである必要があります。本社で用意されるプログラム(これをグローバル・キャンペーンと呼ぶ)がそれなりに用意されていて、それを日本でデリバリーすることが多いので、デジタル広告はわかるけど、イベントはわかりませんという方よりは、広く、浅く、プロモーションを経験、理解している方が前提となります。グローバル・キャンペーンの比率は会社により異なるので、この点は面接で聞いてみるのが良いでしょう。一般的に、日本の売上が高いと自由度は高いです。

本社に優秀なマーケターがいれば学べることも多いので、広く、浅く、経験が詰めることがメリットと考えられますが、逆に、英語ができないと聞けないし、教えてもらえないので、英語は必須かと思います。

 

■グレード、給与レンジは?

ジョブタイトル的には、Field Marketing であれば、Specialist(職歴3-5年)、Manager(部下いなくてもManagerと呼ぶ、職歴5年以上)、Field Marketing Director (これらのメンバーを1名以上管理)という階層です。PRも、SpecialistとManager(部下なしだが、PR Agency を管理)、Product Marketing も同じタイトル感です。

給与レンジは、企業規模によりますが、Specialistが年俸全体で600-900万円、Managerで900-1400万円、Directorでそれ以上(あとはご想像にお任せ)です。感覚的に、内資の1.5倍から2倍という印象ですが。

 

■ベンダーの選び方として、以下の比較軸があると思います。

・企業規模、全世界の売上と成長性は?

・自分が興味のある分野か?

・自分が成長できるか?

但し、Field Marketing のポジション自体が少ない(営業、プリセールス・エンジニア等との比較)わけですが、求人は限定的です。成長性の高い、日本法人を立ち上げた直後のベンダーであれば、日本が注力市場の場合、予算も期待できるので、経験を多く積むという点では良いです。

また、ITベンダーで言えば、特殊業務向け(例えば、ファイナンス向けの財務アプリ)とビジネスユーザ向け(例えば、ビジネス部門向けのチャットツール)に大別するのですが、まったく興味のない分野ですと自身の動機づけが難しい場合もありますので、何かしら興味のある分野を選ぶことをオススメします。もしくは、現職に近い分野での転職ですね。

探し方については、基本的にLinkedinがベスト、あとはIndeedぐらいでしょうか。Agent登録に関しては、最近はメリットが減っているのと、転職をゴリ押しされることが苦手であれば、Agent経由での応募は控えた方が良いです。基本的にAgentは、すべてのベンダーとの口を持っているわけではありません。ベンダー側で、どのAgentからの紹介を受けるかを決めています。よって、Agentが持つ求人情報は市場のすべてではありません。ManagementになればConfidential案件となり、特定のAgentが担当する場合もありますが、SpecialistからManagerレベルであれば、Linkedin、Indeed等で発見できるので、自分で探す癖をつけることが良いです。

求人数が少ないので、転職期間は半年から1年ぐらいかかると見ても良いと思います。また、その期間でいくつか受けてもすべて通るわけでもないので、気にしないでください。

3点目の自分が成長できるか、については、こちらのブログ”売り手市場のB2Bマーケター 転職時に考えたい2つのポイント”を参照ください。面談の際に、これらのことを聞いておくと、JobのScopeが明確になります。ポジションによりますが、マーケ部門だけでなく、営業部門と面談することで、マーケと営業の連携に関する課題感を確認することもできます。

・B2Bマーケティング部門としての主要な課題、チャレンジはなにか?
・本社にはどのようなマーケティング組織があるか。一般的にはプロダクトマーケティング、フィールドマーケ、カスタマーマーケティング、チャネルマーケティング、PRですかね。
・本社と地域(リージョン=日本)の役割分担は?
・日本のキャンペーン施策でのグローバルとローカルの比率は?
・日本のマーケティング部門のKGIやKPIはなにか?
・マーケティングのインフラとしてMA、CRM等をいつから使い始めたか。
・リードマネジメントプロセスに関するインサイド、フィールドセールスとの連携はどのような感じか。
 

■中期的なキャリアで考えるべきことは?

30代半ばまでに管理職を目指すか、スペシャリストを目指すかを考えてください、というアドバイスが主軸です。それを踏まえて、それまでの期間でマーケターとしてどのような幅、スキルを積むかは各人のGAPに依るので、その逆算で自分で考えてみてください、というアドバイスになります。50代になってもスペシャリストとしてB2Bマーケで働くことは不可能ではありません(特にレガシーな企業だと、ずーとマーケされている方もいます)。ですが、仕事の内容が大きく変わるわけではないので、成長がどこまで感じられているか、個人的には疑問です。40代過ぎると、IC(担当色)から管理職への昇進が限られますし、そもそも、外資系ITの日本法人内での昇進機会も限定的です。ですので、40歳前には管理職になっておくのが良いと思います。

以上は、現時点でのFAQです。追加で聞きたいこと(一般的なこと)があれば、Twitter等でレスください。また、これらは私の個人的な経験からですので、ちょっと違うぞというところ、まあ、ゆるく流してください。