B2Bマーケテイングのコンテンツ作成。専門性が高い分野ですと、作成までの工数も掛かる為、一度切りのプロモーションでコンテンツ利用を終わらせていてはリソースが消耗してしまいます。これを回避する為には、コンテンツの賞味期限を考慮しながら、インバウンド、アウトバウンド双方でのコンテンツ再利用を考えてみましょう。
■専門性の高さから、意外と作成工数がかかるB2Bマーケティングコンテンツ
Content is Kingと言われるように、マーケティング施策において、コンテンツは重要な構成要素です。もちろん、コンテンツの作成の前段としての顧客理解(カスタマージャーニー)、さらにはB2Bの場合には、顧客セグメントへの包括的な営業・マーケティングによるアプローチ(Go To Market Plan)に関する十分な落とし込みが完了した上でコンテンツは作成されてこそ、Right content, Right timeが実現できます。
B2Bマーケの場合、商材・サービスの内容にもよりますが、専門的な知識が求められます。この為、コンテンツ作成にあたり、いわゆる、キャンペーン設計を行うプログラムマネージャーがコンテンツを作成するというよりは、そのコンテンツ作成の知識をもったプロダクトマーケティング等のメンバーが取り組みます。コンテンツが作成され、ウェブに掲載、メール等を通じたプッシュでのコンテンツの存在の拡散、またはオーガニック検索、リスティング広告を通じたPull型でのリーチを行っていきます。
専門的な知識が求められるB2Bマーケのコンテンツ作成ですが、ややもすると、作成後に1度プロモーションして、終わりというケースを見かけます。もちろん、コンテンツの種類として、ライトなものとしてのブログ、そして、ブログであれば旬な内容が含まれるフロー型コンテンツもありますが、一方で、顧客の課題喚起を促す調査レポート、これらの課題と解決策へのアプローチをまとめたホワイトペーパー、さらに言えば、これらの静的なフォーマットだけではなく、これらをカバーするウェビナーの録画、といったヘビーなコンテンツこそ、B2Bマーケのメインストリームと考えられるでしょう。
■B2Bマーケティングコンテンツの再利用性を考えてみる
では、これらのコンテンツについて、賞味期限をどのように考えるか、そして、これを踏まえてコミュニケーション施策の継続にどう取り組むか、について、考えてみましょう。先述の通り、コンテンツ作成には関係者の工数を含めて、それなりのコストを要します。また、そもそも、B2Bでの商材・サービスの対象市場が短期間で劇的に変化することは稀で、製品・サービスが複数年かけて市場に浸透し、さらにその後、長年にわたり継続・利用される、非常に長期的なサイクルが前提になります。
コンテンツの賞味期限=この市場サイクルと考えると、実はコンテンツは長期的に利用できることになります(但し、ここでは、特定のコンテンツが、その製品を取り巻く技術、仕様の変化を更新する前提を置いておきます)。では、これらのコンテンツを長期的にマーケティング施策に利用する為に、どのような手法があるのでしょうか?
1つのヒントは、Always on campaign という考え方です。1度きりのプロモーションではなく、コンテンツのマルチチャネル対応、且つ、インバウンド対応により、すなわちはインバウンドマーケティングなアプローチです。さらに、B2Bマーケティングで言えば、リード獲得後に最初のいくつかのステップメール配信にコンテンツを含めるといった手法もあります。
What is always-on marketing?
こちらのB2B Marketing Hackでのリード獲得後のステップメールに関するブログ、コンテンツ作成の最大化に関するブログもご参照頂ければです。
一方で、アウトバウンド型アプローチも考えられます。毎月同じコンテンツを配信するということではなく、例えば、半期といった顧客の検討周期の変化のタイミングに合わせて、メールでのコンテンツをプッシュする、または、過去のウェビナー再度実施するという手法が考えられます。
インバウンド、アウトバウンドのいずれにおいても、重要な視点は、年間等の中期視点で、どのコンテンツを継続利用するか、のロードマップを整理しておくことです。また、インバウンドであれば、その実施結果としてコンテンツの閲覧数、リード獲得数のトラック、同様にアウトバウンドであればその施策結果について、まとめていくことです。そして、コンテンツの効きが悪くなってきていれば、市場環境も踏まえつつ、部分的な更新を行うなどを考えていくことです。
ということでは、今回は、B2Bマーケ・コンテンツの賞味期限に関して考えてみて下さい。少なくとも、コンテンツを1度きりのプロモーションで消耗していては、B2Bマーケは成立しないと思いますので、上記のような視点、アプローチを参考にしてみてください。