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営業・マーケのAlignment どう形成するか?

マーケティングと営業のAlignmentを取るといった言葉に出くわしますか?これ、外資系ITでは頻出キーワードですので、抑えてくださいって感じです。今回のブログではAlignmentとは何か、そして、Alignmentをどのように構築するか、について、経験を踏まえて、解説します。

■外資系の営業・マーケティング用語 Alignment とは?

Alignmentの直訳は、一直線(一列)になること。
 
営業とAlignmentが取れている、取れていないの個人的な解釈としては、営業のGTM戦略と課題に対して、マーケティング施策が整合性を取れているか、ということです。
 
例えば、営業のGTM戦略が、業種別になっていると仮定します。自社の商材・サービスの注力セクターは製造業で、製造業のサブ・セクターとして、自動車、重工業、家電、化学であったとします。営業からすれば、これらの業種に特化したマーケティング・コンテンツ(製品紹介、事例、技術資料等)を用意してほしいでしょうし、展示会、セミナー、アウトバウンド施策についても、これらの業種に特化してほしいわけです。マーケティング側の施策が、このような営業のGTMと整合性が取れている場合、Alingnmentが取れていると言います。
 
しかし、もう一点留意が必要なのは、営業の課題とマーケ施策の整合性です。例えば、自動車セクターは既存顧客が多く、リピートまたはクロスセル中心の営業展開であった場合は、業種別ユーザ回を行う、化学セクターがほぼ新規顧客のみであれば、外部有識者を交えた啓発的なセミナー(集客は営業とインサイドでアウトバウンドで対応)といった、セグメントの購買ファンネルに即した施策を組み上げる必要があります。
 
つまりは、セグメントとファンネルの二軸を元で、営業の課題とマーケティング施策の注力点を絞っていきます。

■Alignmentはどのように取るか?例えば、マーケティング施策立案の場合

Alignmentを取るには、以下の3つのステップを踏むことになります。営業組織の規模の大小、営業組織のアカウントプランニングのアプローチ、マーケティングの年間施策の立案必要時期(次年度の予算申請)といった自社の環境に即して、会議体、タイミングを調整する必要があります。
 

1.営業のGo to market plan ・販売戦略と課題への理解

最初のステップとして、ヒアリングとデータ分析を通じて、営業のGTM戦略と課題、そして、注力点のあたりを付けていきます。

 

●ヒアリング、定性的に

営業の組織規模が小規模で、営業のアカウントプラニング、または1 on 1インタビューを通じて、ヒアリングを行うという打ち手があります。但し、営業アカウントプランはややもすると上長に対するアピール的要素が強く、良い面のみがレポートされる傾向が強い為、本来の営業の課題が浮き彫りにならない場合があります。アカウントプランよりはパイプラインのプランであったりもします。その意味で、営業の課題をヒアリングするのには、1on 1 が望ましいです。戦術のとおり、注力セグメントとファンネルの二軸マトリックスで課題をヒアリングしましょう。
 
営業の人数が多いと、すべての営業の注力セグメントに対応したマーケ施策を企画・実行するのは難しくなります。例えば、10名の営業が20ものサブセクターをテリトリーとしている場合です。このような場合、営業部門長に、どのサブセクターに最も注力すべきかを確認し、絞り込んでいく視点も必要になります。

 

●データ分析、定量的に

営業からのヒアリングには、多くの場合、定量的な情報が伴いません。営業が自分の訪問先がない、データベースがないとコメントしたところで、具体的に何件しかない、追加で何件必要といった定量的な議論になることはほぼないです、経験上ですが。そのため、マーケティングとして、現状の状態として、各営業の担当アカウントごとのリードボリューム、パイプライン金額、機会ポテンシャルなどを定量化し、議論、課題への理解を補完する必要があります。

 

2.マーケティングがマーケティング自身で施策立案

次に、注力セグメントとファンネルでの課題に呼応したマーケティング施策を立案していきます。営業からも雑多な要望が出る場合があります。自分が注力しているセグメントでこんな展示会がある、こんな協会があるので参加してほしいといったインプットがあります。これらも参考にしながらも、マーケティング主体で施策を検討し、マーケティングとしての案を仕上げていきます。

 

3.営業へのマーケ施策案のプレゼンとフィードバック取得

マーケティング施策を案を営業に展開し、フィードバックを取得します。
 
これは営業含む他部門との連携における鉄則ではありますが、部長長と担当の2つレイヤーに対して、情報展開とフィードバックの取得を行うと、比較的うまくいきます。具体的には、マーケの年間施策を部門長向けにプレゼンし、フィードバックを取得し、修正を行います。その修正案を元に、いわば、部門長のお墨付きをもとに担当に展開します。
 

■まとめ 営業とのAlignmentには双方の理解とコミュニケーションが必須

Alignmentが取れていない場合にありがちなのは、マーケティングがマーケティングとしてやりたいことを中心に施策に盛り込む場合です。または逆に、営業がやりたいことのみが盛り込まれすぎる場合もあります。マーケティング施策立案の基本的なアプローチは、市場環境の分析と課題の洗い出し→効果的な施策の立案と実行ですが、偏りのある市場分析と課題の洗い出しには問題がありますので、顧客接点を持つ営業の考えは市場分析に組み入れましょう。そして、効果的な施策の立案を営業にお任せすることがないようにしましょう。
 
このように、Alignmentを取るには、まずはマーケティング施策段階での連携が必要で、双方理解のコミュニケーションをどのように設計するか、是非、考えてみてください。
 
最後に、B2BマーケティングにおけるDemand Waterfall分野のデータ分析(MQLからSQL変換、SQLからSQLWon/Lost変換の2つの工程)について、チャート例、分析ステップ等を解説したNOTEを書きましたので、こちらもご参照ください。
 
サンプルチャートとデータ分析の進め方の解説付き、B2Bマーケティング・Demand Gen分野のデータ分析ガイダンス
 

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